ファーストクラスの病院 

闘病記大田浩右ブログ 2019年3月4日

 

第一段階の治療は一応終了した。昨年9月に始まった抗がん剤の術前療法として膀胱への抗がん剤動注療法を受けて来た。不快な腰痛と排便時の違和感は初回の抗がん剤動注療法で軽減し2回目の動注療法で消失した。いよいよ年が明け坂出のS病院におられる泌尿器科のベンケーシーこと名医のN先生執刀による膀胱がん内視鏡切除術を受けた。術後、念押し治療として追加の動注療法を受けたあと、今日は再度坂出のS病院に入院しこの1月に受けた膀胱内視鏡手術のその後の変化を見る通称セカンドルックと呼ばれている膀胱内視鏡検査(手術)を受けた。幸い腫瘍の姿は見えなかったが、隠れているがんを探すため11ヶ所米粒大の組織を採取する生検バイオプシーを受け終了した。同時に行う抗がん剤の膀注療法による排尿痛は今まで経験したことのないほどの強い痛み、前回の入院で排尿痛は経験済なので早めのボルタレン座薬処方を受け今回は軽めに乗り切った。
6ヶ月で計6回の入院(倉敷M病院4回、坂出S病院2回)、いずれも3泊4日の短期入院だったので体力消耗も少なく仕事への支障もなかった。坂出のS病院は宇和島の徳洲会グループに属し病気腎移植で有名だ。宇和島も坂出もそこには大病院の門構えや多数の医師の姿はない。しかし勤務するスタッフの心は温かく患者にとっては安心感があり医師の腕は確かで信頼感あるファーストクラスの病院である。私の治療体験は本物の医療の力は有名大病院を凌駕していることを実証している。宇和島グループの医師たちの双璧はメディアで有名なM医師と私の体を託している坂出のN医師である。彼らが始めた病気腎移植は長年にわたり泌尿器学会、移植学会、メディアそして厚生省からバッシングを受けてきた。しかし、長い歳月を経て彼らの治療方法の正当性が認められ、いわれなき臓器売買の汚名に対しても裁判で勝訴した。そしてこの度晴れて病気腎移植は先進医療として承認され平成31年1月31日の官報にその旨が告示された。ファーストクラスの病院ではあるが患者の立場に立ってみると細やかなことだが医療の不合理な部分に気付く。私は手術後に点滴や膀胱内留置カテーテルによって自由を奪われる患者の苦しみを痛感した。自由を奪う点滴と膀胱留置カテーテルは必要最小限度の時間にしてほしいというのが患者に共通した希望だと思う。この半年患者目線での満足と要望は色々あるが良好な体調を維持することができた。80歳になっていつあの世に逝ってもいいと言いながらもこうして治療を続けている自分の生への執着、老人のわがままを支えてくださる医療の恩恵に感謝している。
於: 坂出S病院307号室 大田浩右